CAT
2025.12.05
窓の外に鳥や虫を見つけた猫が、突然「カカカカ」「ケケケケ」といった奇妙な鳴き声を発することがあります。 この不思議な鳴き声は「クラッキング」と呼ばれ、多くの猫に見られる行動ですが、その理由は意外と知られていません。 猫の「クラッキング」は本能に根差した行動で、飼い主さんが理解してあげることで愛猫の気持ちに寄り添えるようになります。
そこで今回は、「猫のクラッキングとは何か」や、「クラッキングをする理由」「クラッキングへの対処法」についてご紹介します。
猫のクラッキングとは、獲物を目にしたときに発する独特の鳴き声のことです。 窓辺で外を眺めている愛猫が、突然「カカカカ」「ケケケケ」と小刻みに鳴き出したら驚いてしまいますよね。 この奇妙な鳴き声がクラッキングで、猫が鳥や虫などの獲物を見つけたときに発することが多い行動です。 クラッキングには、以下のような特徴が見られます。
・下顎を小刻みに震わせながら鳴く
・尻尾を左右に振ったり、体を低くして狩りの姿勢をとる
・瞳孔が開き、獲物を凝視する
・興奮状態になり、体が小刻みに震えることもある
・「カカカカ」「ケケケケ」といった短く連続的な音を出す
・主に窓越しに獲物を見つけたときに発する
飼い主さんは愛猫のクラッキングを見かけたら、その理由を理解してあげましょう。
次は、「猫がクラッキングをする理由」を見ていきましょう。

愛猫が突然奇妙な鳴き声を発すると心配になりますが、クラッキングは猫の本能的な行動です。 以下のような理由で、猫はクラッキングをすると考えられています。
「狩猟本能が刺激されている」ことが、猫がクラッキングをする主な理由です。 猫は本能的に小動物を追いかけて狩りをする習性があるので、窓の外の鳥や虫を見ると狩猟本能が刺激されます。 クラッキングは、獲物を見つけた猫が興奮して発する鳴き声だと考えられています。 このときの猫の様子を観察すると、体を低くして獲物を狙う姿勢をとっていることが多いです。 クラッキングは、以下のような状況でよく見られます。
・窓の外に鳥が飛んでいるのを見たとき
・虫が動いているのを見つけたとき
・小動物の動画や映像を見ているとき
・レーザーポインターの光を追いかけているとき
狩猟本能が刺激されたときのクラッキングは、猫にとって自然な行動なので心配する必要はありません。
猫がクラッキングをする理由として、「フラストレーションを感じている」ことも考えられます。 窓越しに獲物を見つけても捕まえられない状況は、猫にとって大きなストレスになります。 「捕まえたいのに捕まえられない」というフラストレーションが、クラッキングという形で表れているのかもしれません。 クラッキングをしているときの猫は、以下のような状態になっていることがあります。
・尻尾を激しく左右に振る
・体が緊張して硬くなる
・瞳孔が大きく開いている
・耳を前方に向けて獲物に集中している
このような状態が長く続くと愛猫がストレスを感じてしまうので、適切に対処してあげましょう。
「獲物を誘い込もうとしている」という説も、猫がクラッキングをする理由の一つです。 クラッキングの音が小鳥のさえずりや小動物の鳴き声に似ていることから、獲物を油断させて近づかせようとしているのではないかと考える専門家もいます。 実際に野生の猫科動物の中には、獲物の鳴き声を真似て狩りをする種類も存在します。 以下は、この説を裏付ける猫の行動です。
・クラッキングをしながら獲物から目を離さない
・音を出しながらも静かに獲物に近づこうとする
・クラッキングの後に飛びかかる動作をする
ただしこの説については、まだ科学的に完全には証明されていません。
次は、「クラッキングへの対処法」を見ていきましょう。

愛猫がクラッキングをしているときは、適切に対処してストレスを軽減してあげたいですよね。 以下のような方法で、愛猫のクラッキングに対処してあげましょう。
クラッキングへの対処法として、「室内で狩猟本能を満たす遊びをする」ことが効果的です。 窓の外の獲物を捕まえられないフラストレーションは、室内での遊びで発散させてあげましょう。 猫じゃらしや羽根のオモチャを使って、愛猫の狩猟本能を満たす遊びをしてあげてください。 室内で狩猟本能を満たす遊びには、以下のようなものがあります。
・猫じゃらしを小動物のように動かして追いかけさせる
・羽根のオモチャを鳥のように飛ばして狩りをさせる
・レーザーポインターで光を追いかけさせる(最後は実物のオモチャで達成感を与える)
・オヤツを隠して探させる宝探しゲームをする
以下は、室内で遊ぶときの注意ポイントです。
・1日10~15分程度、定期的に遊ぶ時間を作る
・愛猫が飽きないように、いろいろなオモチャを使う
・遊びの最後は愛猫に「捕獲成功」の達成感を与えてあげる
「窓辺の環境を調整する」ことも、クラッキングへの対処法として有効です。 愛猫が窓の外の獲物に過度に興奮してしまう場合は、窓辺の環境を見直してみましょう。 ただし窓の外を見ることは猫の大切な刺激でもあるので、完全に遮断するのではなく適度に調整することが大切です。 窓辺の環境調整には、以下のような方法があります。
・カーテンを半分閉めて、視界を適度に制限する
・窓の近くに猫ベッドを置いて、リラックスできる場所を作る
・鳥が来やすい餌台を窓から見えない場所に移動する
・愛猫が過度に興奮したら、別の部屋に誘導してクールダウンさせる
以下は、環境調整の注意ポイントです。
・窓の外を見る楽しみを完全に奪わない
・愛猫のストレスサインを観察して、適切なタイミングで介入する
・急激な環境変化は避け、徐々に調整する
クラッキングへの対処法として、「そっと見守る」ことも大切です。 クラッキングは猫の自然な行動なので、過度に興奮していなければ無理に止める必要はありません。 愛猫が楽しそうにクラッキングをしているなら、その様子をそっと見守ってあげましょう。 以下のような場合は、そっと見守ってあげてください。
・クラッキングの時間が短く、すぐに落ち着く
・興奮しすぎず、リラックスした状態を保っている
・クラッキングの後、通常の行動に戻る
・食欲や睡眠など、日常生活に支障が出ていない
ただし以下のような場合は、獣医師に相談することをお勧めします。
・クラッキングが異常に長時間続く
・過度に興奮して攻撃的になる
・食欲不振や元気消失など、ほかの症状が見られる

猫が窓辺で「カカカカ」と奇妙な鳴き声を発するクラッキングは、狩猟本能に基づいた自然な行動です。 愛猫がクラッキングをしているときは、その理由を理解して適切に対処してあげることで、ストレスを軽減できます。 室内での遊びで狩猟本能を満たしてあげたり、窓辺の環境を調整したりしながら、愛猫が快適に過ごせるようサポートしてあげましょう。 愛猫のクラッキングを理解して寄り添ってあげることで、飼い主さんと猫の絆もさらに深まりますね!