CAT
2026.09.26
愛猫がほかの猫やクッション、飼い主さんの腕などにマウンティングする姿を見て、驚いたことはありませんか?
猫のマウンティングは「発情によるもの」だけでなく、「ストレス」や「猫同士の関係性」などが関わっていることも。
特に多頭飼いの環境では、マウンティングがきっかけで猫同士のケンカやトラブルに発展してしまうこともあります。
そこで今回は、「猫がマウンティングする理由」や、「多頭飼いの環境でもできる対策」「動物病院に相談したほうがよいケース」についてご紹介します。
猫のマウンティングはオス猫の行動と思われがちですが、実はメス猫や去勢・避妊手術を済ませた猫にも見られる行動です。
「うちの子はなぜマウンティングするの?」と、不思議に思う飼い主さんも多いですよね。
猫のマウンティングには、さまざまな理由が考えられます。
猫がマウンティングする主な理由とは、以下のようなものです。
・発情期を迎え、性的な欲求が高まっている
・去勢・避妊手術前の本能的な行動が習慣として残っている
・多頭飼いの環境で、ほかの猫との力関係を示そうとしている
・引っ越しや新しい猫が来たことなど、環境の変化によるストレスを感じている
・遊びの延長で興奮している
・飼い主さんにかまってほしい
・体の不調や病気が隠れている
飼い主さんは愛猫がマウンティングする理由を見極め、その子に合った対策をとってあげましょう。
次は、「多頭飼いの環境でもできるマウンティング対策」を見ていきましょう。

多頭飼いをしていると、マウンティングされる側の猫の負担も気になりますよね。
以下のような対策で、猫たちがお互いに快適に暮らせる環境を整えてあげましょう。
「去勢・避妊手術」は、発情によるマウンティングを減らすために有効な方法です。
猫は発情期を迎えると本能的にマウンティングをすることが増えるため、手術によって性ホルモンの影響を抑えることで行動が落ち着くことが期待できます。
また、去勢・避妊手術には望まない妊娠を防ぐほか、生殖器系の病気の予防につながるといったメリットもあります。
「去勢・避妊手術」は、以下のような流れで検討しましょう。
・かかりつけの動物病院で、手術に適した時期や愛猫の健康状態について相談する
・手術前の検査を受け、麻酔などのリスクについて説明を受ける
・手術後は傷口を舐めないように、エリザベスカラーや術後服で保護する
・術後は安静に過ごせるよう、ほかの猫と生活スペースを分けておく
以下は、「去勢・避妊手術」の注意ポイントです。
・手術後すぐにマウンティングがなくなるとは限らない
・習慣化している場合は、手術後もしばらく行動が残ることがある
・術後は太りやすくなるため、食事量や運動量を見直す
多頭飼いの環境では、「猫ごとの生活スペースを確保する」こともマウンティング対策としてお勧めです。
猫は縄張り意識の強い動物なので、限られたスペースで食器やトイレを共有していると、ストレスや力関係の主張からマウンティングにつながることがあります。
猫ごとの生活スペースを確保するには、下記のような工夫をお勧めします。
・トイレは「猫の頭数+1個」を目安に設置する
・食器や水飲み場は猫ごとに用意し、離れた場所に置く
・キャットタワーや棚を設置して、上下運動ができる逃げ場をつくる
・それぞれの猫が一匹で落ち着ける寝床や隠れ家を用意する
以下は、「猫ごとの生活スペースを確保する」際の注意ポイントです。
・トイレや食器を通路の途中や狭い場所に置かない
・相性のよくない猫同士は、必要に応じて部屋を分けて過ごさせる
・新しい猫を迎えたときは、いきなり同じ部屋にせず少しずつ慣れさせる
「一匹ずつ遊ぶ時間をつくる」ことも、多頭飼いの環境でできるマウンティング対策です。
猫がマウンティングする理由には、運動不足によるエネルギーの発散や、飼い主さんにかまってほしいという気持ちが隠れていることもあります。
「一匹ずつ遊ぶ時間をつくる」ときは、以下のような手順で行いましょう。
・ほかの猫がいない部屋や時間帯を選ぶ
・猫じゃらしなどのオモチャを動かし、愛猫の関心を引きつける
・獲物を追いかけるように、オモチャを素早く動かしたり隠したりする
・最後はオモチャを捕まえさせて、満足感を得られるように遊びを終える
以下は、「一匹ずつ遊ぶ時間をつくる」際の注意ポイントです。
・遊ぶ時間は1回10~15分程度を目安にする
・どの猫にも同じように時間をかけ、不公平にならないようにする
・遊んだあとは、ひもなどのオモチャを出しっぱなしにしない
マウンティングが始まってしまったときは、「気をそらす」ことで行動をやめさせましょう。
大きな声で叱ったり叩いたりすると、猫が恐怖心や不信感を抱き、かえってストレスが溜まってしまいます。
「気をそらす」ときは、以下のような方法を試してみましょう。
・オモチャを見せたり、音の鳴るオモチャで関心を別のものに向ける
・マウンティングされている猫を、さりげなく別の場所へ移動させる
・落ち着いたら、穏やかに声をかけたり撫でたりする
以下は、「気をそらす」際の注意ポイントです。
・叱る、叩くなどの罰は与えない
・マウンティング中の猫を無理に引き離すと、引っかかれたり噛まれたりすることがある
・毎回同じ状況でマウンティングする場合は、そのきっかけとなる環境を見直す
次は、「動物病院に相談したほうがよいケース」を見ていきましょう。

マウンティングは猫の自然な行動のひとつですが、なかには注意が必要なケースもあります。
以下のような様子が見られたら、早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。
これまであまりマウンティングをしなかった猫が急に頻繁にするようになった場合は、体の不調が隠れていることがあります。
マウンティングとあわせて、以下のような様子が見られないかチェックしてみてください。
・トイレに何度も行く、トイレ以外の場所でおしっこをする
・陰部をしきりに舐める
・食欲や元気がない、または落ち着きがない
・去勢・避妊手術後なのに発情のような行動が続く
マウンティングされる側の猫がケガをしていたり、強いストレスを感じていたりする場合も注意が必要です。
首の後ろを噛まれて傷ができていたり、隠れて出てこなくなったり、食欲が落ちたりしていないか様子を見てあげましょう。
猫同士の関係がうまくいかないときは、動物病院で行動面の相談をしたり、猫用のフェロモン製剤の使用を検討したりするのもお勧めです。

猫のマウンティングには、発情やストレス、猫同士の関係性など、さまざまな理由が隠れています。
多頭飼いの環境でマウンティングが見られたときは、叱らずに理由を見極め、猫ごとの生活スペースや一匹ずつ遊ぶ時間を確保してあげましょう。
愛猫たちの気持ちに寄り添いながら環境を整えていくと、猫同士も飼い主さんとも、より穏やかで楽しい毎日を過ごせそうですね!